ガイドラインより低額な修繕積立金でも赤字にならない。-認定制度の要件を得るか。
2022年4月スタートの「管理計画認定制度」。いくつかの要件があるが、長期修繕計画に関する項目は6点だ。
前回のブログまでで①~④を説明したきた。今回は最後の2点⑤と⑥を考えて見たい。
おさらいすると
⑤長期修繕計画期間全体での修繕積立金の総額から算定された修繕積立金の平均額が著しく低額でない。
⑥長期修繕計画期間の最終年度での借入金の残高のない計画であること。
まず⑥から先に説明すると、これは要するに30年後に赤字になっていないことともいえる。つまり赤字になる計画はダメだということだ。もちろん、途中で一時金を徴収するような計画もある。外部から借りるという手もあるが、この残高が無いように計画するべきだというのが⑥。
さて⑤だが、これはガイドラインから見て、著しく低額な修繕積立金はダメということだ。もちろん理由があればよい。その場合は、専門家が理由書を提出すればよいことになっている。
修繕積立金ガイドラインには計画期間全体における修繕積立金の平均額の目安がのっている。あくまで目安だ。
ひとつだけ例をあげよう。
20階未満で5,000㎡未満の建築延床面積の建物の場合、月額㎡単価が235円~430円。これは平均値が335円/㎡.1月となる。
さて上記の数字を採用するとする。これはあくまで平均値だから、そのまま30年間推移させるか、段階的に値上げしていくのか。ガイドラインでは均等積立方式を推奨しているように思える。つまり60㎡の専有面積であれば、修繕積立金は月額20,100円。年間241,200円。30年間だと7,236,000円となる。
均等積立方式とは、30年間、積立金を変更しないという方式だ。当然、工事金額累計が積立期金累計を上回ってはいけない。
上記の金額は、かなり高い金額だと思う。たぶん、日本の平均単価は、もう少し低額だろうと思われる。
私は、管理計画認定制度は、利用の仕方によっては、管理組合活動に大いに寄与する制度だと思うが、これに縛られる必要はない。認定機関も、必ず幅を見てくると思うので、月額335円にとらわれる必要はない。