管理会社に勤務しているフロント担当者の多くが管理業務主任者という資格を有しています。同資格がなくても仕事はできるのですが、管理組合との契約を締結するための重要事項説明を実施するためには同資格が必ず必要となります。
マンション管理適正化法の第56条に管理業務主任者の規定が書かれていますが、かいつまんで説明すると、管理会社は30組合に1人の専任の管理業務主任者を置かなければならないという決まりになっています。
これまで専任管理業務者の勤務形態は、2002年2月の国交省(総合政策局不動産業課長)通達において「(選任)管理業務主任者の専任性は、万ソyン管理業を営む事務所に常勤(マンション管理業者の通常の勤務時間を勤務することをいう)して、専らマンション管理業に従事する状態をいう」と定義されていた。要するに会社に出勤してきなさい、という意味です。
私は管理会社在籍当時は専任管理業務主任として登録していましたので、原則、毎日会社に出勤していました。それでも現場が好きなほうだったので、「ちょっと出てきます」ということが多く、経営陣は少し渋い顔をしていました。
このたび(7月1日付)一般社団法人マンション管理業協会(管理協)理事長あてに国交省(不動産・建設経済局参事官名)通達において、「専任の管理業務主任者がテレワークなどにより事務所以外の場所で勤務している場合も「常勤」に含まれるという解釈が示された(7月5日付 マンション管理新聞)。
まあ、そうですよね。コロナ禍において、これだけ在宅勤務が常態化した今では、仕方ないことだし、それでも十分仕事ができるということでしょうね。
気になるのは、在宅勤務の場合の、個人情報データの持ち出し等については、どの程度、許可されているのかは分からない。
また某大手管理会社は、在宅勤務と銘打っているが、実際は大型マンションの管理員室をハブとして、仕事をしているのが実情だった。もちろん在宅勤務に限定している管理会社も多い。
国交省が上記通達をマンション管理業協会に出したということは、今後、マンション管理業協会から各管理会社に指導がいくだろうと思われる。
私は、多くの管理会社のフロントさんと接触するが、結構、淡々と在宅業務をこなしている感じがする。現場で、それが問題になったことはなく、通勤時間などがなくなった分、これはこれで成果があるのではないかと思っている。
ただ緊急対応など現場に出ることが多いフロントは、在宅から現場というケースの結構多いのではないかと思う。
ちなみに説明すると、専任管理業務主任者というのは、その人が30管理組合を担当すると意味ではなく、一営業所につき、30管理組合ごとに責任者を置くという意味合いである。一人で30管理組合など絶対に管理できませんので。そんなことしたらブラック企業です。