搾取容疑ーマンション元管理員を逮捕ー兵庫県西宮市

 7月20日、兵庫県西宮署が、市内のマンションで工事費を水増ししてだまし取った(搾取)として、元管理員を詐欺容疑で逮捕したと発表した。

 管理員の事件としては、つい最近、このブログでも個人情報の漏洩について報告しました。
 なんか、立て続けに管理員の事件であるため、気になりました。

 管理組合のお金を持ち逃げというような事件は、昔から、たまに伝え聞くが、どうやって管理員さんがお金を持ち逃げできるのか、よくわからない。このような事件が起こる時は、多くは管理会社のフロントや理事役員だったりする。そもそも管理会社から派遣されている管理員さんに、管理組合の資産にふれるような仕事はないと思う。もちろん自主管理で、あらゆることを管理員に委託しているようなマンションは別として。

 私の個人的経験を書く。もちろん場所やマンション名は匿名。築後、約10年を経過したマンション。私がかかわった時点で管理組合に数十万円しかお金が残っていなかった。要するに管理会社に持ち逃げされたということ。
 通帳があるので記帳を調べると、たしかに管理組合にて引き出している。約2,000万円くらいでしたね。

 結局、フロント担当者が全額引き出して行方不明(その後所在を確認)になったというもの。そもそも、なぜ担当者がお金を引き出せたか。それは簡単で、銀行の払い出し書に銀行届出印が押印されているから。そのマンションは、いわゆる分別管理はなされていた。つまり通帳は管理会社側、印鑑は理事会が保管していた。
 つまり出金のための払い出し書に印鑑の保管者である理事長が押印していたのである。それまでフロントを信用していたため、言われるがままに押印したということ。うかつでしたね。

 さて、今回の元管理員の水増し事件。業者と組んで水増し請求をして、バックをもらうという手法だろうが、西宮署によれば、被害額は5,000万円で、そのうち1,900万円をその元管理員が受け取っていたということらしい。その業者もよく分らない。1,900万円ものバックを出して(当然領収書なしだろうから)、売上だけ上がってしまって、そんなに得しないでしょう。帳簿上、どうやって売上総額をごまかすのだろう?よくわからないな。

 水増し請求というのは、実際には行っていない工事代金を上乗せしているという意味だと思うが、そんなことが起こり得ることが分らない。だって、どんな工事でも、管理組合は、その工事内容(仕様や工程、概算)を検討して、最終的には見積書をとる。それに対して発注書を出したり契約書を締結するわけだから、最終的に出てきた請求書の金額が違っていたら、だれだって押印を躊躇するでしょ。
 もしくは、工事をやったように見せてやらなかったのか。そんなことできますかね。5,000万円以上の被害額ですよ。

 とにかく、こういう事件を見ると、まだまだ管理組合の会計の状況には、注意が必要なんだと思う。つまり多くの人が集まっていればいるほど、会計担当者を信用してしまい任せてしまうから。

 せめて当初の見積書と発注書さえ存在していれば、水増し請求書なんて作成できないし、すぐにばれると思うのだが、どうなんだろう。賢い(?→悪いかな。)人は、いろんな手法を使ってお金をだまし取るのかな。

 最近、あるマンションにて、当事務所で非常照明を1体交換した。下請けから20,000円の見積書がきたので、当事務所の売上率を15%のせた(23,000円)ら、減額交渉が入り、結果、10%の粗利(2,000円ほど)となった。当然、交換工事は朝から私が立ち会っているし管理もしている。交通費もかかっている。半日使っても、2,000円の儲けですよ。それは大切なお金だけど、これをどうやって水増しするのだろう。
 普通、商売って、こんな感じじゃないのだろうか。


 私は多くの管理員さんと会ってきたけど、本当にみんな真面目ですよ。どちらかというと、管理会社本社から、いろんな責任を押し付けられてじっと耐えてる感がある。ほとんどの管理員さんは、大変なんだよなあ、と思う。

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