マンション管理の現場では、いろいろなことが起こるのは当然なのだが、やはり大事件として取り上げられ、対処を評価される事案としては漏水がある。
漏水はいつ起こるか分からないし、該当宅もどう動いたらよいか分からない。
とにかく漏水については、「まず止めること」。これに限る。
まずは止めないと、被害が拡大する。逆に言うと、被害を最小限に抑えることが大事だと思います。
第一次対応として、だれが動いても構わないわけです。被害宅であろうが、管理組合であろうが、管理会社でもだれでも。とにかく協力して動きましょう。
原因が特定されなくても、まずは一次対応として止水することが可能な場合、必ず一次対応をすべきです。「原因が分らないので、明日また、、、。」なんてことは被害宅には言えないですよね。
最上階のお宅で雨が降っており、たぶん 雨水の浸水だろうと判断したら、浸水箇所だと思われる箇所に広範にビニールシートをかけて様子を見るとか、最上階でなく、上階の給水管だと判断したら(よくあるのが量水器メーターが動いている場合など)、バルブを閉めてしまうとか。
マンション管理の現場に始めて直面したフロントマンなどでは、漏水はあせると思いますが、へっぴり腰にならず、必ず解決してみせるとの意思をもって動けば、漏水はほぼ解決する。なぜなら、物理的現象として漏水は、原因がはっきりしていることが多く、たんなる幽霊的な現象のような漏水はないと思っていい。-夜中の2時になると、どこからともなくすすり泣きが聞こえて漏水する、、、。なんて絶対にないので。
漏水は多くの場合、再現することができる。逆説的な言い方だが、晴れてしまえば漏水が止まることもある。その場合、水が浸入したと思われる箇所に散水すれば、多くの場合、漏水が起こる。給水管など、配管からの漏水は再現はとくに簡単。だから、まずは一次対応の際に、凡その目当てをつけておき、再現すればよい。
このように書いていくと、簡単な作業のようだが、実際にだれが、いつ、どのように行うかという現実的な場面で、漏水は放置されることがあるようです。だから、立場が問題ではなく、だれでも早く対応すれば、結果的に被害も少なく、感謝もされるということになる。まあ、感謝というか、プロとしては当たり前でしょうが、、、💦。
さて、この漏水を放置する原因はどこにあるのか。被害宅の連絡が遅い。連絡しても対応者が決まらない。一次対応で終わってしまった等々。また調査費や対応費が心配で、だれも手を付けない等の理由もあるかも知れない。たしかに、調査費や一次対応費用が、かなり高額になることもあるかも知れない。でも、それはやってみないと分らないですよね。最後は、必ず、しかるべきところから出費できるはずです。管理組合に関する法律や規約は、そこにうまく対応していると言えます。またマンション総合保険をどのように活用するかなどを普段から考えておかなくてはなりません。
とにかく、調査費にしても一次対応費用にしても、漏水を放置した被害の拡大を考えれば、それより高くつくことはまずないと思います。
次回のブログでは、漏水対応に時間がかかってしまったことによる裁判例を紹介したい。
(東京地判令和2年2月7日ー損害賠償請求事件・平成30年(ワ)第32697号より)