自分が住んでいるマンションの屋上に立ち入ったことがある居住者って、そんなにいないと思います。マンションの場合、他のフロア(階数)にさえ行ったことがない、という方だってたくさんいます。まして屋上に立ち入りできるかどうかさえ、普通は知りませんよね。
屋上の形状や立ち入りの可否など、だれも知りません。あえて屋上の防水仕様なんて聞かれても分らないでしょう。
それは多くの方が、管理組合や管理会社に、管理をお任せしているからです。それでよいと思いますが、問題は、任されている管理組合や管理会社も屋上に立ち入ったことがない、ということもある。
屋上のないマンションは存在しません。そのため管理者は必ず屋上の管理を行う必要があります。
普段、マンションの屋上にあがるのは、管理員さんや業者さんでしょうね。屋上を定期の巡回業務として委託契約している管理会社は少ないでしょう。屋上は、その形状にもよりますが、やはり危険です。
もし屋上を巡回業務するなら、防水の状態の点検や側溝ドレン(排水口)の清掃を行っていると思います。屋上を清掃することは少ないので、どうしてもドレンに汚泥がたまります。久々に屋上にあがると、ドレンに雑草がたくさん生えていて、、、なんていうのはざらにあります。
屋上にあがるには、服装や履物も適切なものを着用し、安全管理をしてからです。巡回業務をするのであれば、防水状況、パラペット(立ち上がり)、避雷針、タンク(高置水槽や防火水槽)、アンテナ等の機器点検も必要でしょう。これらはプロにまかせるべきです。
マンションによっては、管理会社やプロの定期点検を入れているところもあるようです。年に1回は、排水溝の清掃や落ち葉の除去は実施すべきと思います。また台風のあとなどもドレンにゴミが詰まって水がたまったままになっていないかの点検も適宜必要でしょうね。
建築基準法12条では、築10年を経過したマンションでは有資格者による特定建築物定期調査を実施しなければならず、この時に屋上の状況を点検すると思います。
最後に経験談をひとつ。10年以上前、あるマンションの1階にある駐輪場の天井から漏水。これが雨が降った時にだけ漏るという現象でした。直上階は普通の専有部で漏水の形跡もない。雨が降ったときだけなので、間違いなく降雨と関係あると思いました。相当時間をかけて調査をしましたが、結局、15階屋上にある防火水槽の電線パイプが破損し、そこから雨が入り、15階から1階まで一挙に水が落ちてきていました。
屋上って、なかなか曲者ですよ。