マンションの個人情報流出について

 11月10日、〇〇コミュニティーは、入居者2名の氏名・住所などの個人情報が流出したと発表した(「マンション管理新聞2021年11月25日p-5」)。住所などの「など」という部分は、同紙を読む限り、入居納付金などの額だと思われる。つまり別の方に納付すべき手続き書類等を間違って交付してしまったという内容だ。〇〇コミュニティーは業界最王手の一つだ。そこでも、こんな間違いが起こる。
 同社は地方公共団体、国交省、Pマーク(プライバシーマーク)の付与機関に報告したとしている。
 事件の発覚は、入居者からの申し出による。

 今回の個人情報の流出は限定的だが、同社はこの事件をすぐに公にした。当然といえば当然だが、Pマークを取得している企業であれば、それが一般的な流れだ。Pマークを取得していても、黙って報告さえ上がってこない会社だってあるだろう。上層部に事故報告さえ上がってこないようなこともある。だからといって、〇〇コミュニティーをかばうつもりはないけれど💦。

 マンション管理会社は大量の個人情報を扱う会社だ。日々新しい情報が入れ替わるということはないのだが、固定の顧客の情報を出し入れしている。もちろん、自分の情報がどのように管理されているか知りたい方は開示請求をおこなえば、どの会社でも一定の手続きを経れば開示情報を取得できる。

 分譲マンションというのは、区分所有者の集団であるため個々の個人情報が集まっている。毎月の管理費等の出納業務でも、個人情報を扱っていることになる。

 この問題はマンション管理会社だけに限られたものではなく、管理組合も個人情報の保護団体とみなされる。国交省やマンション管理業協会は、管理組合がきっちりと住民名簿を作成し(つねに更新もして)、保管することが必要であると指導している。多くの場合、管理会社が住民名簿を管理しているが、管理組合もきっちり保管しておくべきだという考えが浸透してきた。
 それであれば、紙ベースで保管するのか。データなのか。だれが、どのように管理するのか。これはともて難しい問題だ。管理員室に保管しておくべきなのか。管理員さんは、つねに住民名簿を閲覧する権利があるのかどうか。などなど管理体制を厳格にしておかなければ、個人情報など、あっという間に漏洩していく。

 理事会が住民名簿を管理しており、それを歴代紙ベースで引き継いでいたマンション管理組合で、ある理事が安易に名簿を住民に開示してしまったり、ゴミ箱に廃棄したりというような経験は、私にもある。

 人の行うことだからミスはあるのだが、なんとかミスの起きない体制やマシンができないものかと思う。
 私の苦い経験を披露しよう。これは私が管理会社に在籍していた時代だが、ある内勤者が管理費等の引落口座が明記された書類を第三者に郵送してしまった。これなどは、送ってしまったら、もうどうしようもない。もちろん、被害者様はその口座をこわし、新しい口座をつくられたが、一苦労だった。

 ご自分のマンションの管理会社がPマークを取得しているかどうかなどを調べてみるとよいと思う。少なくともPマークの付与機関は個人情報保護法や管理体制を教授してくれるし、毎年の監査を行う。ファックスなど2回送信したりするのは、現在では常識。1回目は相手の確認。2回目の書類を送信。またメールなどで資料を添付送信するようなときは、パスワードが別メールで送られてくることは、多くの方が経験しているだろう。あれ、面倒くさいと言えば面倒だが(;^_^A。(すみません。きっちりと守ります)。

もちろん今回の〇〇コミュニティーだってPマークは取得していたのだが。

個人情報に関する過去ブログ

スタディング マンション管理士/管理業務主任者講座

 

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