現在は自分でマンション管理士事務所を運営している私ですが、管理会社のフロントを20年近くやりました。私の仕事のこなし方もあるのでしょうが、まあ忙しかったですね(じゃあ、今は暇なのって話は別として💦)。土日はほとんどなかったですね。最近は働き方改革等、社会の目があるので、多くのフロントさんは、代休・振替休日をとっているようです。それでもお客様(とくに組合員の方々)からの電話は絶えないのではないでしょうか。ある大手管理会社の社員さんにメールしました。急ぎの用事でもなく、お休みだと申し訳ないと思いメールにしました。すると、すぐに返信がありました。「本日は休日です。翌々日の出勤日にメール開封します」と書いてありました。これ、多分、会社のシステムで自動返信になっているんですね。大手は違うなあ、と思い、まあ関心しました。ただこのようなシステムは大手だからというわけではなく、その会社のシステムで導入しているのでしょう。別の大手管理会社の方からは、そんなシステム、当社には無い、と仰っていました。
フロント業務というのはどの管理会社にもいる組合サポートをする管理会社の最前線の方たちです。理事会に出て、管理状況の報告をします。そして、また新しい課題をもらって順次解決していきます。会計、建物設備の不具合、住民トラブルの相談等々、ソフト・ハード両目に詳しくないと務まらないです。
だいたい一人で何棟くらいの物件を担当するのでしょうか。今度、あるデータから全て調べてみようかなと思っていますが、今日は推測で。たぶん一人で10~15棟ではないでしょうか。一桁台だと、他の管理会社からうらやましがられます。私が知っている、あるフロント担当者は18件持っていました。
また役職者(係長、課長クラス)になると部下も抱えますから、一人で60物件くらいを頭に入れていると思います。部下のミスがあると、一緒に理事会に出て謝罪して、善後策を取ります。
一つのマンションで月に1回くらいの理事会開催が普通でしょうから、18件担当していると、月の半分以上は理事会です。理事会に出るには抱えている宿題をこなし、同時にこの1か月の出来事をまとめ、会計報告も行います。たぶんくたくたです。総会前の準備となると本当に大変だと思います。
フロント担当の経験値や腕の差もあるでしょうが、やはり一人10件以上は、多い気がします。私が管理会社に在籍していたころ、フロント一人の担当物件を10件以内におさえました。新人には6物件くらい担当してもらいましたが、会社はあまり、いい顔をしていませんでしたね。それはそうですよね。それでは会社の固定費があがりますから。
管理組合が支払う管理会社の委託費は、10年前に比べて安くなっていると思います。入札をすると本当に、大手でも過去になかったような価格で出してくることがあります。そうしないと他社に勝てないのでしょうね。その分、フロントにしわ寄せがいっていないことを願います。
もちろん、私はすべて管理会社の肩をもつわけではありません。でも10棟を担当しても、そこにはお客様がたくさんいて、10棟だと500名以上を担当することになることも多々あります。
よく管理会社の対応が悪いという問題を聞きます。本当にダメな管理会社ってありますけど、そんな中でも死に物狂いで働いているフロントの方もいます。たまにお客様からやさしい言葉をかけていただけるだけでかなり癒されるのではないでしょうか。甘やかす必要はないですが、、、。
一番の問題は、管理業界では、未だ仕事の効率化が、あまりなされていないような気がします。それと、すべてが担当者任せのようになっている面があります。それはフロント個人の問題ではなく、会社の体制の問題ですね。