「5年程度」「7年以内」「定期的に」 見直しの周期「認定基準」「ガイドライン」「標準管理規約」それぞれと差。
10月16日(土)に日本マンション学会が開催された。今回はコロナ禍においてZOOMでの開催だった。学会は全国各地でこれまで開催されており、近接地域でないと、なかなか参加できないが、ZOOMだと楽でいいな、と思った。
さて、今回の話は、その学会でのある分科会での話。今回の学会の中心テーマは管理計画認定制度についてだったが、分科会でも、同制度をもとにした長期修繕計画の認定基準の話題に移ったとき、講師が「ガイドラインは5年、認定基準は7年」「要するにそのあたりでしょう」という回答。しかし、講師の言うことは実は的を得ている。つまり、長期修繕計画にある修繕周期など、マンションの特性によって、すべて違うということだ。私は、そのように受け取った。つまり長期修繕計画を作成する場合は、一般的な作成方法ではなく、きっちりと、そのマンションの特性を知り、劣化診断等をすべきだということだ。
マンション標準管理規約では、定期的という考え方(コメント欄)で、ようするにこれが正解だと思う。前回7年で再作成したが、今回は地震等もあり5年で再調査して再作成した、ということでもよいのだ。実は、長期修繕計画書は毎年書き換えてもよいのだ。実際には、予定していた工事を1年ずらすなんてことはよくあること。本来は、そのたびに計画書は作り変えなければならない。
しかし一般的に、長期修繕計画書は総会決議を経て、その管理組合承認の計画書となる。つまり、小微な変更ごとに毎回、総会議題として上程できないということだと思う。もちろん、余裕があれば、それを行ってもよいのだ。
今回の改訂では、ガイドラインが「一定期間」から「5年程度」と変更。標準管理規約コメントは「5年程度ごと」を「定期的」とし、お互いに逆の表現にかえている。なぜこのようなことになるのか。それは、今回のそれぞれの改訂の基本には、「管理計画認定制度」があるからだ。同計画制度では、長期修繕計画書の再作成周期を7年以内としている。先にも述べたように長期修繕計画書は総会の決議を経なければならない。そのための準備に1~2年と考えたときに、5年周期は、総会決議を踏まえると7年ほどかかる、という見方のようだ。それでは、計画の起算点はどこになるのだ、というような問題も生じてくるが、それは些細なことだろう。要するに、管理組合は、つねに躯体の調査と点検を行い、維持管理をしなければならないということなのだ。認定制度というような基準を策定してしまうと、かならず数字で表記しなければならない、ということだろう。