考えていくと、顧客がいなくなってしまうケース!? まじですか!
少し大仰なタイトルでした。普段からマンション管理士として仕事をして、またマンション管理通信と銘打ってブログを書いておきながら、このタイトルはなんだ今更!ということですが、、、💦。
いや実は最近、久々にマンションの管理規約を英文に翻訳するという仕事があり、その中で、少し考えました。
最近は外国の方がオーナーになったり、賃借人で外国の方が入居したりするケースも多くなっており、マンションのルールを説明する際には、英語で行うことが多いのです。「そもそも日本語でいうマンションとは・・・」「あなたがお住まいになっているこの分譲マンションというのは・・・」という説明が多くなりました。その場合、日本語となっている「マンション」という言葉をそのまま英語でも「マンション」と表現してよいのかどうか、というところに引っ掛かりました。
すばり、英語で説明する場合は「マンション」とは表現しないほうがよいと思います。私は、「condominium-コンドミニアム」と言っています。これがもっとも分譲マンションという日本語に近いと思います。また管理規約を英語にする場合は、建物のルールなので「apartment-アパートメント の bylaws – バイローズ(規則)」と表現しています。
さて知識のひけらかし💦はこのあたりにして、要するに日本語で使う「マンション」という言葉の定義は一体なんだろう、という話です。
そもそも「マンション」という元来英語であるこの単語は、現在の日本語では、そのまま外来語として普通に使用しています。
しかし、日常会話で使う場合は、高級マンションとか高層マンションとか、品格や状態を指す言葉が先頭についたりしますが、話し手によって、かなり定義が違うと思います。
鉄筋コンクリートで建てられた建物がマンションである。とか、共同住宅がマンションであるとか。じつは「マンション」という英語を日本語に直訳すれば「大邸宅」という意味になります。
私たちマンション業界で仕事をしている者たちにとってのマンションとは「マンションの管理の適正化を推進する法律」で定義されたマンションです。じつは、日本で正式にマンションという言葉が法律に用いられたのは、この法律なのです。略して「マン管法」や「マンション管理適正化法」と言ったりします。平成12年12月8日に制定公布されました。
「マンション管理適正化法」ではマンションは以下のように定義されています。
「2以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるもの並びにその敷地及び附属施設(2条1項 イ)」
そこで上記条文の区分所有者という言葉が問題となってきて、マンションのルールを定めた「建物の区分所有等に関する法律(略 区分所有法)」を参照することになるのですが、要するに狭義では、上記の「マンション管理適正化2条1項 イ」がマンションの定義となり、広義には、区分所有法の適用対象になる建物と敷地及び附属施設が法律上のマンションです。
話が少し難しくなりました。そこで簡単に考えます。2以上の区分所有者が存在しなければマンションではないとすれば、一人のオーナーが全部屋を購入したら、組合員は一人となります。その段階でマンションではなくなり、区分所有法も適用されなくなるということです。
つまり管理組合が消滅するということです。
私は、この業界に入って、マンションという言葉の定義を勉強したときに、管理組合が消滅するという考え方に興味を持ちました。つまり私たちにとって、顧客が消滅しちゃうのです。
マンション管理士として管理組合とコンサル契約をしたり、第三者管理方式として理事として就任することを生業としてきた私にとって、契約先の管理組合が消滅したら、契約が消滅するのかどうか、、、。まだそのような経験がないので、詳細につめて考えたことはないのですが、理屈上は、私の仕事はなくなるわけです。
管理組合が消滅すると同時にマンションではなくなるということです。
最後に管理組合が消滅するケースが2つありますので、これをご紹介しておきます。
①区分所有者が1となった場合
②区分所有権を構成する構造上の空間がなくなった場合(半壊を含む)
(マンションを建て替えるためにマンションを取り壊したら、その段階で管理組合 は消滅しますーこの場合は別の法律が適用されますーまた別の機会にご説明します)。
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