マンションの郵便ポストにはチラシなどの宣伝広告がたくさん入りますよね。もちろん戸建てでも同じだろうけど。マンションの場合は、集合ポストになっているので、一挙に大量に投函できるので効率的なんだろうと思う。
マンションのエントランスにはよく、管理組合名の「チラシお断り」や「チラシなどの広告の投函は固く禁じます」と明記された立て看板が置いてあったり、掲示されていたりする。それでも、結構、投函されていきますよね。
厳しい管理員さんが常駐しているマンションなどでは、窓口に投函の許可をとりにくる業者さんもいます。「ここはチラシ投函だめだよ~」という感じでお断りしたり、「風俗以外なら」という感じで許可したり。
いくら「投函禁止」の看板があっても、管理員さんがいない時間帯以外だと、どんどん入れていきますよね。
個別の店舗がビラをもってくることもあるけど、多くの場合、たくさんの種類のビラを配布するアルバイトの方が多いので、苦情を言っても、そのビラの店舗には直接、つながらない。チラシを配布する会社にクレームを言うことになって、実際にはあまり効果がない。
もっとひどいときは、エントランスからインターホンで戸別に訪問販売しようとしている業者なども、かつては多かった。最近はみなくなりましたね。
さて、このようなビラ(広告)の配布を断る権限は管理組合にあるかどうか、という問題ですが、それは当然あります。共用部の管理者は管理組合なので、管理権限者です。
20年ほど前の話ですが、私がお世話になっているマンションでポストにビラ投函、エントランスからインターホンで訪問販売を行なおうとしていたある業者(〇〇設備→この会社、訪問販売で新聞に出て、倒産しました)に注意をしたところ、屁理屈で返してきました。「マンションには共用部というものがあって、ここは公共の場所だから営業の権利がある」という感じでした。もう💦、こういう時は、だまって帰ってくれれば、それでいいのになあ~。と思いながら、説明をしなければなりません。
専有部・共用部というのは、管理組合が自分たちの住空間を分けているだけで、第三者的には、すべて住居だということです。マンションの共用部というのは、分譲された住戸部分(専有部)に付随し、住民の生活の平穏に配慮する必要がある空間です。つまり部外者がマンションのエントランスに立ち入るということは、住居に侵入しているということになります。
マンションの玄関ホールなどの共用部は、刑法130条前段の「住居」に当たり、管理組合が部外者に対して立ち入りを許可していないことを知って、各住戸のドアポストに政治ビラを配布して、住居侵入罪を構成した裁判例があります。(東京高裁平成19年12月11日判決)
上記で述べた〇〇業者の方は、それでも憲法の自由権(営業の自由)がどうこう言っていましたが、勝手に他人の家に侵入して営業する人いませんから。どうしようもなくて、警察呼びます、ってことで110番したら、すぐに帰っていきました。