管理会社ランキングについて

　雑誌などに、よく「管理会社ランキング一覧」といった特集が組まれることがある。例えば、９月２５日発行の「マンション管理新聞」のｐ－５に、2021年版首都圏の管理会社（管理協会員対象）上位50社が掲載されている。

　このマンション管理会社ランキング。なにを持って順位をつけているかというと、多くん場合、管理戸数または管理棟数。例えば、管理業協会の会員でも住友不動産建物サービスは管理戸数は発表していないので、今回の順位表には掲載されていない。たぶん掲載されれば順位は１０位くらいだろう。

　もちろん管理棟数で順位が掲載される場合もある。でも、それ以外の指標で掲載されることはない。そうすると概ね順位はいつも同じで、

　1位　日本ハウズイング
　2位　大京アステージ
　3位　東急コミュニティ　
　・・・・・・・
　という感じだ。

　確かに、この順位はおもしろい。日本ハウズイングは独立系の管理会社で、大京アステージは、大京が販売会社である。とくかく日本ハウズイングは営業が頑張っているということがこれで分かる。

　さて、私が言いたいことは、もうそろそろ、この指標も飽きてきたので、なにか良い指標はないでしょうか。
　管理の質をなんとか指標にしたいですよね。例えば、管理組合数と社内管理業務主任者との割合とか。これは、マンション管理業協会の会社情報から、調べることができるのだが、それで順位にした表は見たことがない。
　例えば、管理棟数が１００棟で、管理業務主任者が１０人であれば、一人１０棟が担当していると、単純に判断できる。

　管理会社によって、違いはある。もちろん会社ですからね。会社の方針というものもある。A社の社員の傾向といったものも感じることがある。でも、多くの管理組合が気が付いていることだと思うが、やはり人ですよね。

　私は過去に管理会社に勤務しており、今はマンション管理士として独立し、多くの管理会社ともつきあっている。正直な感想でいうと、そんなに悪い担当者はいないですよ。能力的にどうかなあ、と感じることもあるけれど、いたって皆様、まじめ。だけど、彼らが崩れていくのは、やはり社内の問題。とくに担当物件数。１５物件とか２０物件とか、たまにありますよね。もちろん、すべての担当物件が毎月理事会を開催するわけではなく、そこはうまく分けています。しかし、本来は、毎月理事会を開催したほうが良く、会計報告だけでも毎月、管理会社は理事会に報告する義務がある。それでも担当者は、管理組合が、毎月理事会を開催したいと言ってこない限り、自ら開催を促すことは少ないと思う。

　もし担当物件２０物件が、毎月理事会を開催したら、１日～２日に１回は理事会が開催される。その準備と理事会議事録の素案づくりだけで、多分仕事は手一杯になる。そこに緊急対応などが入ると、もう大変ですよ。

　管理会社のランキングの話に戻ると、どのような指標が良いかという話だが、このおゆな管理棟数と管理業務主任者の割合とか、担当者が担当している物件の距離の平均とか。日曜日や休日に理事会や総会を開催するマンションは多いと思うが、そのような場合、担当者は、前日に準備をすませ、当日は自宅から直行というケースもある。その場合、自宅から近いほうが楽だ。そのため、管理会社は自宅の近くで担当物件を地域分けすることもある。また同じ担当物件数でも、戸数の違いがる。戸数が多いほど、緊急対応や相談が増えるのは当たりまえだ。どの管理会社も、棟数と戸数は平均化させていることが多い。しかし、一方で、勤務評定として、居住者からのクレームの数を評定している管理会社もある。クレームと相談の境目がわかりにくく、相談をクレーム数と数える会社もあり、そのような場合、担当戸数が多いほうが当然、クレームが多く、勤務評定が落ちることがある。しかし、実際には、より多くの居住者の相談に乗っていると言えなくもない。

　私の以前の部下（管理会社時代）で、今は管理会社ベスト１０に入っている大手管理会社に勤めている者がいるが、かれは居住者との相談が多い。それは、私が彼を何年にもわたって、必ず現地に出向きお客様の顔を見ることが大事だ、と教えたからだ。でも彼の場合、今の会社で勤務評定が悪い。お客様の相談ばかりにのっているからだ。

　話題がずれた。何か、会社の質をうまく表せる指標は無いかな、と考えている。

　※担当者のテレワーク（リモート）について

LEC東京リーガルマインド