防犯カメラについて思うこと(2)

前回ブログの続きです。

多くのマンションで、防犯カメラが設置されているという話のつづきです。
あらたに防犯カメラを設置する場合、まずその動機と理由付けが審議案として上程されると思います。多くのマンションでは、その設置理由として防犯・治安ということが言われると思います。それと抑止力ですね。実際に差し迫った緊迫した事件がせまっているというわけではなく、カメラの設置が犯罪の抑止力として役に立つということ。これが理由付けでしょう。
 マンションで犯罪というと、少し大げさに聞こえますが、前回のブログでご紹介したマンションのように、 落書き、違法駐車、大量の違法ゴミなどを実行した人を特定するためというのが実際の防犯カメラの有効な使い方となっていることが多いということ。落書きも立派な(?💦)犯罪ですから。
 マンションにかかわる仕事をさせてもらっていると、何度も泥棒ということに直面しました。わたしの経験上、すべての泥棒が防犯カメラの死角をねらっています。その意味では、抑止力になっています。

 これら抑止力と費用を両天秤にかけた場合、リースだと管理費を急激に圧迫することも少ないので、決議されるということが多いと思われます。

 さて防犯カメラ設置の費用ですが、まず見積(計画も含めて)を誰が作成するか。つまり計画を誰が行うかですが、やはり理事会→管理会社という流れが多い。理事会が発案して管理会社が作成するというパターン。管理会社は専門業者や警備会社に計画をまかせることになります。当然、その場合、リース(レンタルも含め)と買取りの2本の案を理事会にもってくるでしょうね。
 

 大事なことは設置個所とカメラの性能、ハードディスクの性能(容量含め)です。最近は本当に広角で画質のよいカメラが出ています。またハードディスクの容量も大切です。1週間~2週間くらいが平均的な画像の保存期間ではないでしょうか。これは画質の読み取りにもかかわってきます。1秒間に3コマとって(録画して)2週間の画像保管なら、1秒間に6コマとって、1週間の画像保管となります(おおざっぱですが)。1秒間に6コマとって2週間保存したいなら、ハードディスクの容量を増やす必要がある等々、理事会にて検討し、総会に上程する場合は、カメラの設置位置や画像範囲を図面などに描きこん(レイアウト)で提案するのがよいと思います。

 やはり防犯カメラの設置において、もっとも注意するのはプライバシーの問題でしょう。専有部が画像に入っていないかどうかということですね。
 過去の裁判例では、屋外設置のカメラが私道、自宅敷地周辺が映ってしまうという案件で、カメラの設置が防犯のためという目的は当然含まれているが、同時にプライバシーも侵害しているとして、カメラの撤去と損害賠償を認めています。

 マンションにおいて防犯カメラを設置する位置の定番としては、やはり外部との接点。要するに出入り口です。大きなマンションでは、複数の出入り口があると思われます。そこは必ず押さえておくべき箇所でしょう。それ以外に、そのマンションで問題の多い箇所。駐輪場(違法駐車)、駐車場(トラブル・事故)、ゴミ置場(違法ゴミ)などになるでしょうか。

 あるマンションで防犯カメラを新規設置した時に、モニターをエントランス付近に置き、居住者全員が見えるようにしたことがあります。それについては、反対者はいなかったのですが、1か所だけ問題になりました。それはエレベータ内の防犯カメラでした。エレベータ内はプライバシー空間だから、常に人に見られるのが嫌だという方がいらっしゃいました。エレベータの中は(わたしは)プライバシー空間ではないと考えていますが、そのマンションでは、エレベータ内の防犯カメラのモニターのスイッチだけは切っておくこととしました。

 エレベータの中なんて、通路でとまっているだけのように思いますが、、、なぜかプライバシー性が高いという判断をする方もいるようでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *

CAPTCHA