管理費等滞納を処理するルールとは(1)

 どのマンションでも、管理上の大きな問題として管理費等の滞納がある。どのマンションというのは言いすぎかもしれないですね。滞納なんか一切ないというマンションだってありますもんね。
 大きな滞納が少ないマンション(💦大きなというのは多額のという意味)では、この問題は、あまりひっ迫感がないかもしれない。そんなマンションで、滞納のためのルールを作成しませんか、と問いかけても、「そんな起こっていない場合のルールなんて、いらないでしょ。」という反応を受けることもある。

 たしかに築何十年も経過しても、本当に滞納で悩んだことが少ないマンションもあります。そうなれば、それはそれで素晴らしいこと。

 私は、結構、マンションの管理費等の滞納を回収するので苦しんだほうかも知れない。これって、意外に大変なんですよ。

 その経験から、ついつい、いずれの時のためにルール化しておきましょう、と言っちゃいます。
 ルール化というのは、管理費等滞納のための細則を作成するとか。理事会において滞納の回収マニュアルを作成しておくというようことです。

 実際に滞納を回収するとなった場合には、どの方にも公平に回収の手順をとらないと公平性にかけますから、やはりルール化は必要ではないかと思う。例えば、マンション標準管理規約では、管理費等の滞納については、「(略)管理組合は、その未払金額について、年利〇%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる(60条2項)」とある。
 この表現はあいまいで、「できる」とあるから、しなくてもよいともとれる。
 遅延損害金をとったり、とらなかったり、すると公平性がなく、組合員からクレームがでるにきまっている。また遅延損害金の%でも決めていないマンションもある。

 往々にして、マンションの管理規約には、滞納の回収方法・手順については、詳細に書かれていない。例えば、滞納とは、どこからが滞納なのかとか、何か月くらい滞納したら遅延損害金をつけるのか、とか。

 そのような曖昧な表現を具体的にするために管理費等の滞納については、細則やマニュアルでルール化しておいてほうがよいと思う。

 また回収方法も、何か月滞納したら督促状を出すとか、裁判に移行するとかを明記しておかないと、その時々の理事会の判断となってしまい、上記に書いた公平性に欠ける。

 管理会社に管理を委託している管理組合では、多くの場合、管理会社との委託契約において、管理費等の回収手順が決まっているところが多い。つまり、多くの場合、管理費等の滞納回収については、自分たちのルールに沿うというよりも、管理会社の提示する方法に任せているということになる。
 それは、それでいいと思いますが、それさえも詳細に決まっていないので、遅延損害金をつけるのかつけないのか。遅延損害金はどのように回収するのか、などは管理組合の意向になる。

 一度、ご自分のマンションの管理委託契約書の後ろについている別表をみてみましょう。そこには、管理会社の滞納に対する委託業務の範囲と手順が書いてある。

 次回のブログでは、自分たちで(管理組合で)管理費等の滞納をルール化する場合の内容については考えて見たい。

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