マンション共用部内での事故・ケガについて(落ちる・転ぶ・滑るをなくそう)

国交省住宅局内の各課(住宅総合整備、住宅生産、建築指導、市街地建築)より「窓やベランダからの子どもの転落事故防止について(注意喚起)」という通達文と別添資料をいただいた。
 同資料によると令和2年度に国交省に事故報告があった子供の転落事故は5件もあり、うち3件は死亡。2件が重傷である。
 令和2年6月8日福岡にて布団干しを足掛かりにして高さ1.2mの手すりをこえて転落。令和2年6月15日北海道。物干し竿を踏み台として高さ1.1mの手すりを乗り越え転落など。
 全5件の連宅事故に共通することは、ベランダのどこかに踏み台となるものが設置または置かれていたこと。それともう一つは事故は5件のうち4件が6月。1件が8月と初夏から夏にかけて起きていることだ。ベランダ・バルコニーは専有部に附属しているため、共用部とは言え、管理組合や管理会社の目がはいり難い。危険に対する認識をぜひ共有したいところだ。
 管理組合や管理会社は、児童のいるお宅に対して、事故の事実をつねに広報して対策をとってもらいたい。国交省のHPには「建物事故予防ナレッジベース」があるので、ぜひ参考にしてもらいたい。

 上記はベランダからの落下事故に焦点をしぼって述べましたが、マンションの中には、それなりに危険がいっぱいあると思われます。共用部には落下・転倒の原因となる箇所が多くあるため、つねに点検をいれることが大事だ。
 国の統計によれば、マンションを含む建物内やその周辺で、滑る、転ぶ、落ちることによって亡くなった方は、2017年には3614人に達しているとのこと(←国交省パンフレットの文書ママ)。この数字は火災による死者数の5倍以上らしい。

 マンションの中には開放廊下で外部に面している箇所も多く降雨、降雪により通路がすべりやすくなったりする。また階段からの転落も危険だと思う。避難経路には手すりの設置なども検討したいところだ。最近のマンションでは、通路や階段には手すりが設置されていることが多いが、少し古いマンションには手すりがないことが多い。特定建築物定期調査では、そのような箇所をチェックするのだが、多くのマンションでは手摺は既存不適格と表示される。つまり建築当時は違法ではないが、現在では違法状態になるので、なるべく早いうちに対処すべき、という項目として管理者に報告される。管理者としては、費用の問題もあり、なかなか手が付けれなく、そのまま問題が残ってしまうというケースだ。行政が一斉に補助金で対応できないかな、などと思いますが、なかなかどこも予算足りないでしょうから、、、。

 上記の「建物事故予防ナレッジベース」を参考にして管理組合や管理会社、またマンション管理士などが、そのマンションの事故が発生しやすい箇所を点検するようなことを実施すればよいのではないか。すでに管理員さんの巡回マニュアルには、手摺のぐらつきなどが巡回点検項目に入っているかも知れない。再度、管理員さんの巡回マニュアルを管理組合で再点検してみることも必要かもしれませんね。


 
 

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