どのマンションでも役員の成り手がいなくて困っているという話を聞く。役員とは理事会メンバーと監事の総称。監事は理事会メンバーとは別途の扱いで、理事会メンバーは理事と呼ばれる。
理事会はマンションの管理組合運営の執行機関だ。立候補であったり、輪番表で選ばれることが多く、ずっと同じメンバーで理事会を運営しているマンションもあります。
理事の成り手が少なく、また理事会に出席しない理事も多くなり、理事会が開催できないというマンション管理組合の相談も多い。マンションの管理規約は、マンション独自のものだが、多くはマンション標準管理規約に基づいて設定されていることが多く、同規約によれば、理事会の開催は定足数の過半数が必要です。
これはどういうことか。つまりまず、理事会には定足数というものがある。その定足数を満たさなければならない。そのうえで、理事会を開催するときは過半数が出席しなければ理事会は成立しない、という規定です。
例えば、理事が突然、部屋を売却して引っ越すことになった。つまり組合員でなくなり理事の就任要件を満たせなくなった。この場合は、理事会は欠員をかかえることになります。その場合、欠員をかかえたまま理事会を開催することができるかどうかが問題です。
10名という定足数の理事会があったとします。1名が引っ越して欠員が生じメンバーは9名となった。もしそれでも理事会を開催して9名出席すれば過半数を満たしているという考え方がとおるかどうか。やはり、むずかしいでしょうね。理事会の存立要件として定足数があるので、定足数を満たさなければ理事会は存立しない。だから早急に1名を補填しなければならない。10名にしてから開催すべきです。
しかし、上記のように欠員が出ることってあると思います。残念な話ですが、亡くなる方だっています。その場合は、速やかに欠員を埋めるように新しい理事に就任してもらうべきだと思います。
上記のような問題をクリアするために、最近は理事の定足数を一定の範囲の数にしておくという方法をとっている理事会もあります。私は、多くのマンションでこの方法を推奨しています。管理規約を改正し、理事の定足数を5名~8名と、定足数にやや余裕をもっておくという方法です。
またこのように定足数に余裕をもっておくと、理事の成り手が少ない年は、定足数の少ない理事会でも管理組合運営ができますよね。