マンションの共用部には必ず消火器が置いてあります。これは消防法上、設置する消火器の規格や設置基準をクリアした形で置かれています。
多くのマンションの場合、年2回の消防設備点検を実施しています。同法令点検の際には、必ず有資格者(消防設備士)が消火器の点検を実施しています。
余談ですが、私はテレビ等のお笑いが好きなのですが、有名なお笑い芸人である元ザブングルの加藤さんは、芸能活動の傍ら消防設備士の資格を取得して、実際に社員として仕事をされていると報道されていました。加藤さんの場合は消防設備士の乙類6種という資格で、同資格者は消火器の点検を実施することができます。
マンションの管理を仕事としていると、たまに消火器についての相談を受けることがあります。「やはり自宅には消火器を置いておいたほうがよいか」とか「共用廊下に設置してあるものと同じ消火器を自宅に置いておけばよいか」等々。
じつは共用部と専有部に置く消火器は、それぞれ業務用消火器と住宅用消火器と分けられています。ここでは、共用部の説明をします。
マンションの共用部に設置すべき消火器は、水、泡消火器、リン酸塩類等を使用する消火粉末を放射する消火器(ABC粉末消火器)が、消防法上の対象となる消火器です。と、こう説明されてもよく分かりませんよね。
じつは、消火器は以下のように説明されると分かりやすいと思います。
まず種別がA,B,Cと3種類ある。そして、それぞれ火災の種別によって分られているということを知っておいてください。
Aは普通の火災、Bは油火災、そしてCは電気火災です。そしてマンションの場合、多くがABC粉末消火器と呼ばれ、上記3種のどれにでも対応できものが設置されていることがほとんどだと思われます。しかし同時に知っておいてほしいのは、この消火器は繊維製品・ふとん類・ゴム類等に対しては、火災を抑制できても、完全に消火することはできないので要注意です。
ご自分のマンションの廊下などに設置されている消火器を見てみてください。たぶんA・B・C火災などと表示されていると思われます。消火器がどこにあるか分からないということはないと思います。消火器具を設置した箇所には、「消火器」と表示された標識があると思います。この標識は消防法施行規則で設置が義務付けられています。
消火器をよく見ると製造年月日が書かれています。消火器の耐用年数はおおむね10年とされています(平成22年総務省令111号)が、消防設備点検の際に、破損や錆等が顕著な場合は、10年をまたずしても新規に交換してください。
使用期限を過ぎた消火器や使用期限内でも腐食等が見られる消火器は危険でもあります。このような消火器による人身事故(破裂)も発生していることは事実です。
消防設備士から交換を推奨されるはずです。
また消防設備点検報告書は一定期間ごと(共同住宅では3年ごと)に消防署に届け出る義務がありますが、必ず是正措置事項がある場合は、改善命令が出されます。消防署に指摘される前に、交換したいですよね。
ちなみに住宅用消火器の使用期限はおおむね5年です。
ところで皆様、消火器の使い方って分かりますか? 消防訓練などに参加すると水消火器を使用して、実際の使い方を指導してくれます。いざとなったら、意外におたおたしてしまうものです。経験しておいたほうがよいと思いますよ。
ちなみに私は、何度も消防訓練に参加したことがありますが、そのたびに消火器の使い方がへたくそです。なんか緊張しちゃうんですよね、、、💦💦。