梅雨に入りました。マンション管理は四季に敏感です。
私はなんといっても、降雪が一番嫌。マンションの構造にもよりますが、いろんな被害が出ます。あるマンションでは、吹き抜け箇所が多く、落下危険防止のために数階ごとにネット(ラッセルネットと呼ばれるもの)を張っているのですが、そこに雪が大量に積り、重みでネットが破損します。再施工するのに高額の費用を使いました。
そして嫌なのが雨です。もちろん強風が伴う台風などは特別ですが、とにかく普通の雨でも長時間降られるといろんな問題が生じます。
多くのマンションでは、建物と建物以外の敷地が管理対象となっています。敷地内ぴったりに建設されているマンションはまずありません。敷地の60%くらいが建物面積ではないでしょうか。とにかく敷地内に降った雨は、一度マンションの敷地内に集められます。例えば庭に降った雨は浸水しマンション敷地内の地下ピットに集められたり、屋上に降った雨は雨水管で地下ピットか下水に。また機械式駐車場が屋外にある場合は、最下層のパレットの下に釜場(雨を落とし込む場所)に流れていき、そこから排水ポンプで下水に流し込みます。
マンション敷地と敷地外の境目を見ていただければ、その境目は必ず敷地内に雨を流し込むように微妙な傾斜がついているはずです。これは一旦敷地内に降った雨を敷地内のどこかに雨を集めるためです。グレーチングと呼ばれる側溝などが設置されており、それが雨水管を通って桝とよばれる雨水ピットに行き、いずれは排水ポンプなどで外部(公共の)下水管に流し込むような仕組みになっています。
このようにマンション敷地内に降った雨は必ずマンションの責任で管理して、その後下水道に流し込むような仕組みになっているはずです。
たぶん、どのマンションでも、管理員さんは雨は憂鬱なはずです。梅雨時期には、いつもより注意深く側溝のゴミや排水ポンプの故障がないかを見て回っていると思います。上記の例に出したような機械式駐車場の地下にある排水ポンプの存在って、あまり知られていません。意外ですが、駐車場のメンテナンスを行うプロの点検でも地下の排水ポンプの点検はチェック項目に入っていないこともままあります。排水ポンプが壊れると悲惨な状況が生まれます。
排水ポンプが壊れると水が外部に流しだせないため水位があがります。その時には満水警報というのが発令するのが普通ですが、この仕組みは必ずどのマンションにもあるというわけではありません。満水警報が出ても、その後、数十分してから警備会社がかけつけます。その時にはかなり水があふれており、そこから管理会社や管理組合に通報があり、やっと対処することになります。
梅雨の季節。マンションにとってはトラブルのないように気を付けなくてはならない季節です。