マンション管理のコンサルを生業としていると、よくゴミの問題が話題にあがる。どのマンションでも必ずゴミが排出される。多くは専有部(居住者)のゴミだが、共用部のゴミもある。専有部、共用部ともに違法ゴミが出る。ここでいう違法ゴミとは、分別されていないとか、本来捨てれないものを廃棄してあるとか、という意味です。
地域によって違うでしょうが、違法ゴミは、多くは収集されず、ゴミ置場に放置されます。各地方公共団体では、注意用紙を貼っておいておく、ということが多いようです。
この違法ゴミ、放置されたあと、あなたのマンションでは、どうなっていますか。誰かが処理しないと、そのまま放置されますよね。間違って排出してしまった居住者が引き取りにきてくれればうれしいですけど、意外に引き取りに来ないことも多いようです。ならば、そのゴミがだれが排出したのか。監視カメラを見よう、となって→誰が監視カメラを見る権利があるのか、となって→監視カメラの運用細則をつくろう、とかになって→総会決議。なんて、大げさなことになりかねない。
ゴミの袋を開封して、排出者を特定することができるかも知れません(私は100回以上やった気がします)。それが違法かどうかも分からない(多分、ゴミは排出物で所有権放棄しており、問題ないかと思いますが、、、。)。
どのような方法をとるにしても、なんらかの対応をしないと、ゴミ置場に違法ゴミが出されたままということに。
でも実際に、そこまでひどい状況になっているマンションって、そう見かけないですよね。それは、ほとんどが管理員さんや清掃員さんが処理しているからです。これが私の結論。もちろん、管理組合が自主点検で、きっちりしているマンションもあると思いますが、どちらにしても、管理体制がしっかりしているというマンションです。
つまり、だれか第三者が、違法ゴミをなんらかの形で処理しているということです。
私はこれって、すごいことだと思います。他人の違法ゴミを有償か無償かは関わらず、コミュニティのために処理するなんて。多くの場合、管理員さんや清掃員さんが、放置された分別されていないゴミを、別の袋に入れ直したりして、やりくりしているのではないかと思います。
15年以上前ですが、あるマンションでバイクを捨てられました。またゴルフバッグもあったなあ。それから、なんかわからない器具だとか。それらは、いくら調べても排出者も特定できず、管理組合費より費用を支出してもらい、各種手続きをとって処理しました。何万円もかかったこともあります。でも、それは、だれにも請求できません。公道ではなく、私有地なので、そこに違法ゴミが廃棄されたら、仕方ない、管理責任というで、敷地の所有者が処理しなければなりません。それが日本の法体系です。
店舗や事務所などが入っているマンションもあります。いわゆる複合用途マンションですね。よく、明らかに店舗からのゴミだと思われるものも一般のゴミ置場(住居用)に捨ててありました。「家庭ゴミレベルなんだから、捨てて何が悪い」という態度の店舗や事務所もありましたが、これは大きな間違い。すべて事業用の廃棄ゴミです。しかるべき手続きをとって捨ててもらってください。気持ちの上では、ほんの少しくらい妥協点はあると思いますがね、、、。
それで言うと、共用部のゴミ。これは一般の居住者のゴミ置場に同じように捨てていいのでしょうか。厳密にいうとダメですよ。だけど、そのゴミが専有部から出たのかも知れませんし。詳細には分からない。
例えば、管理員室のゴミ。これも事業系ゴミにあたりますから、本来は別途、廃棄業者と契約して取りに来てもらう必要がありますが、その業者さんと一般ごみ廃棄業者が一緒だったりして、分け目がないですよね。
問題は、きっちりルールを守って出してもらっていれば、もめごとも少ないということです。
東京都ゴミに関するHP ←参考までに東京都のゴミに関する問い合わせ