強烈な見出しですよね。一面ではありませんが。
マンション管理新聞は業界の動向等を知るうえで、役に立つ情報源として定期購読しています。月に3回の発行で、結構、ボリュームのある内容です。広告も多いですが、これは経営を維持するためには仕方ないでしょう。それにたまに、この広告が役に立つので。
同新聞には、たまに管理会社の社員の横領等の記事が載ります。これ結構多いです。今回も社員の横領です。この手の事件は、本当にいつもパターンは同じです。管理組合の資産(財産ーほとんど金銭)を着服です。
結局、管理組合のお金を着服すると、それをごまかすために、管理組合の会計収支をごまかさなくてはいけないですし、毎月、管理組合に提出すべき管理事務報告書にも事実と異なる記載をして報告することになり、罪が重なっていきます。
2018年には、大手の管理会社で管理組合の財産を横領。会社は60日間の営業停止となりました。
今回の上記の会社は営業停止まではいかずに、指示処分ということらしい。
処分内容が違うのは、たぶん事件の事実関係が微妙に違うのだろう。
例えば、後者の大手管理会社の場合を当時の新聞記事から抜粋すると「マンション管理大手「〇〇〇〇」(本社・東京)の元従業員が、担当する管理組合の管理費を着服していたとして、●●●●整備局は同社を60日間の業務停止処分にしたと発表した。●●●●整備局によるとマンションで組合の管理費口座の印鑑を不正に保管し、現金を引き出して着服していたという。」
今回の事件のあらましをマンション管理新聞から引用すると「管理組合の預金口座から100万円を引き出し着服」とある。前者との違いは、印鑑を不正に保管していないのではないかと思われる点。これで営業停止と指示処分の違いが出ているのではないかと思う。
どうして、このような事件が起こるのか。
順不同となるが、後者の大手管理会社の例から推測すると、仮組合の印鑑を管理会社の社員が保管していることが、まずありえない。もちろん当面の経費に使用する収納口座と呼ばれる口座の印鑑を管理会社が保管することは可能だ。しかし、ここには大した金額は入っておらず、月々の管理費等の引落額が入金され、月々の経費を差し引き、残額を保管口座に移動する。だから着服するなら保管口座なのだが、この口座の印鑑を管理会社が保管することはマンション管理適正化法によって禁じられている。いわゆる印鑑は管理組合、通帳は管理会社という分別管理が行われなくてはならない。これは資産の管理方法の基本で管理会社社員ならだれでも知っている。それができてしまうということは、悪意のある社員がいるということです。一般的には、印鑑と通帳をともに保管することはできませんが、新たに通帳や印鑑を作成したタイミングなどに、そのようなことが起こるのかも知れないです。そういう時は、関係者複数人で監視しないとダメですね。
それでは、今回の事件のように印鑑を保管せずに着服する方法は。(今回の事件が印鑑を着服していないというのは、私の推測です)。
どうやったら、管理組合のお金を着服できるのかな。まず、銀行の払い出し書を理事会担当者(理事長や会計担当)に持参して、印鑑を押してもらう。それを銀行に持って行って現金化して、そのまま着服という手段しか思い浮かばないなあ。でも一般的には、このような払い出し書には、「現金化禁」という印鑑が押してあり、銀行で現金化すると同時に振り込んだり、入金したりするので、管理会社社員の手に現金が渡ることはないとおもうのですが、、、。
やるとしたら(悪い表現だなあ)、白紙の払い出し書に押印をいただくことですかね。金額も入金先も白紙の状態の払い出し書に押印をいただき、銀行に持って行くという方法だけしか頭に浮かばないなあ。でも、そんな白紙の払い出し書に押印する理事様なんて、普通いないですよ。
何年も前のことになるが、ほぼ自主管理に近いマンションで、外部の管理者が、組合の資産の95%以上を横領したケースがあり、その後、私が管理会社社員として対応しました。私が担当した時点で、通帳にお金が20万円くらいしか無く、本当につらかったなあ。どうやって、横領したのか、あまり詳しく聞かなかったが、どうやら、理事長様が白紙の銀行払い出し書に押印したのだと思う。こうなると100%、横領した社員だけが悪いのではなく、危機管理意識が無さすぎるのではないかと思いました。もちろん、悪いことする人がいけないのですが、、、💦。
※ちなみに上述の大手管理会社さんは、今でもお付き合いさせていただいていますが、通帳や印鑑管理は、まったくスキがなく、きっちりされていますよ。問題なしです。