国土交通省は4月14日にマンション標準管理規約の改正案を公表し、パブリックコメントを始めました。改正された最終案は6月ごろに公表されることを想定しているようです。
国交省 規約改正案に関する意見公募(2021年4月14日)-1※上記資料をコピーしたい方は国交省のHPから
上記資料は3ページにわたる国交省が発表した改正案のまとめ。国交省が標準管理規約を改正を提案する理由は、令和2年に成立・公布されたマンション管理適正化法とマンション建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正することにあわせていること。そしてもう一つの理由は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大にの社会情勢の変化にあわせたもの。
多くの場合、以下のような改正点が、皆様の生活に関わってくる部分です(すべてではないです)。
①ITを活用した総会・理事会
②置き配を認める際のルール
③専有部分配管の工事を行う際の修繕積立金からの工事費拠出
とくに②は緊急性のあるもの、③はどのマンションも関係してくる内容だと思います。
まずは②の置き配。コロナ禍でネット購入が増えていると思います。同時に置き配をお願いする方も多いですが、置き配は本来は管理規約の共用部違反となる可能性もあることから、それを使用細則で定めることを推奨。しかし実際にはマンションの構造にもよるため、マンションごとの独自のルールになりそうですね。オートロックがあるマンションは、原則として置き配は難しいですよね。ルール化して管理員さんが中に入れてあげるとか、、、。夜間は管理員さん不在のマンションも多いでしょうし。原則としては管理会社自体は、絶対に荷物の保管サービスはやりませんので。
また③の専有部分の配管工事の問題も大きな問題です。これまで給水管や排水管の更新工事の際には、規約通りに判断すると、室内(専有部分)の床下配管は専有部であるため手つかずでした。ある意味、これはナンセンスな話で、いくら共用部分の給水管を新設したり、更新工事を行っても、量水器メーターより先は専有部であるため配管工事を放置すれば、結局、室内配管は劣化し、赤水も出ますよね。また床下配管の劣化で、下階に漏水なんてことになりかねない。そのため、更新工事は共用部・専有部を一体化して管理組合にて費用を捻出するのが合理的だという判断です。私も賛成ですが、これは費用が莫大にかかりますね。室内の床下配管の工事って、配管状況にもよりますが、生活できなくなるほどの工事もあるので、その費用は莫大です。今回、国交省のひな形にそって規約改正されるマンションは、かかる費用も莫大になることが予想されるため長期修繕計画の大きな見直しが必要となってくるかも知れない。
今回の国交省のマンション標準管理規約の改正案は、もともと3月17日の「マンション管理の新制度の施行に関する検討会」の最終提示された案が素案となっているのですが、4月14日の改正案では、3月17日時点では出てこなかった提示案も追加されています。それは長期修繕計画についての案ですが、それは次回のブログで。 MORI NOBUO
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