民泊について、その後

今回のタイトルを「民泊について、その後」とした。その後というのは、コロナ感染症が広がる前、まだ2020年の東京オリンピックが開催されるとだれもが思っていた時。という意味で書きました。
 2017年くらいから、マンション管理組合では、「うちのマンションも早く民泊に対して手をうたないと」という声を聞くようになりました。当時私がお世話になっていたマンションは多くが東京都区外にありましたので、都心のマンションほど危機意識は高くありませんでした。「こんなところまで民泊に来ないよ」と東京都八王子市当たりの理事様たちは言っていました。私もそうでしたね。それに民泊って、手続きが面倒だから、実際に商売としてやる方は、そんなにいないんじゃないか、とも思っていました。
 一方で、都心部でお世話になっている組合の理事様たちは、規約改正や細則の制定などで民泊禁止に対抗しようとしました。
 私が印象に残っている管理組合があります。都心のど真ん中にあるマンションでしたが、理事も館外オーナーが多く、所有する部屋をシェアハウスとして貸し出していました。シェアハウスと民泊はもちろん違うのですが、当時の理事長が、民泊は旅館宿泊業
にあたり、やはり普通の賃貸と違うので、早く手をうっておこうということで、使用細則に「民泊禁止」の文言を入れました。
 マンション標準管理規約第12条には「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、、、」と明記されていますので、当時の私は、同条文だけで、民泊は禁止と判断できると考えていましたが、政府のほうが外国人の観光客受け入れを積極的に行っていく方針で、民泊も推奨していましたので、国交省はじめ関係機関は、同条文だけでは民泊禁止はできないかも知れない的な説明に変わってきました。
 前述した都心部のマンションでは、民泊というのは旅館業法にあたる営業行為であるため、民泊の定義を明確にして、その行為を禁止しようとしました。私が印象的だったのは、管理規約に禁止条項を入れなかったことです。当時の理事長はこう言ってました。「民泊なんて、絶対に一過性のものだよ。流行だから。管理規約は流行に左右されるようなことを入れるべきじゃない。今度改正するのにまた特別決議(組合員数と議決権数ともに4分の3以上の賛成で可決)をとることは面倒だ。」ということで、同マンションでは管理規約ではなく、建物の使用細則として禁止条項を入れました。これだと普通決議(有効議決権の過半数の賛成で可決)で可決できますから。
 結局そのマンションの存在する区では、その後、条例ができ「民泊は平日は禁止で、土日(しかも日曜日の午後は不可)」ということになりました。これでは、民泊をやろうという方は減るでしょうね。
 結局、コロナ禍の中、オリンピックは延期となり、今年のオリンピックも海外からのお客様を呼ばない可能性もある。もう民泊って言葉もどこかに行ってしまいました。私は民泊については、賛成反対という意見はありませんが、居住型のマンションで民泊を行うと多々の問題が発生すること(ゴミ出しや、共用部の使用方法、騒音、鍵の引き渡し、防犯、防災等)は必至です。
 結局、今となっては、先の理事長様の「流行に右往左往しないほうが」的な意見が、なんとなく、偶然とは言え、あせる必要はなかったなあ、と最近思っています。だからと言って、コロナは早く何とかおさまってほしいですが。

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