空き駐車場利用について

 マンション敷地内に駐車場を維持している管理組合は結構多い。この駐車場、管理組合のお荷物になりつつある、という話をよく聞く。簡単に言うと、利用者が少なく、収入が減っているということ。同時にメンテナンス費用は、通常通りかかるし、いずれは大きな修繕が必要ともなれば、使用料の積立だけで賄えるのかという問題もある。
 駐車場使用料は、修繕積立金、もしくは駐車場会計という特別会計に繰り入れていくことがよいと言われているが、必ずしもすべてのマンションでそうなっているわけではない。駐車場使用料を全額、管理費会計に入れているところもあり、実際には駐車場収入がなければ、日常の管理が成り立たなくなっているマンションさえある。この場合、駐車場使用者が減るということは、日常管理の支出さえ、ままならなくなるという意味であり、早く駐車場使用料を別会計に移動して、管理費を値上げすることをおすすめしている。これも総会決議が必要なため、大変です。
 とにかく駐車場使用者が減っているという現実に直面しているマンションが多くなっているように感じる。そこで、必ず出てくるのがサブリースという言葉。つまり外部に(その方法はいろいろ)駐車場使用者を募るという方法。あくまで管理組合が決めることで、その是非を問うことは意味がない。メリット・デメリットありますから。
 外部に貸し出すと税金の問題が出てくる。管理組合の外部からの収入(収益事業)については、当然利益として税金がかかるが(携帯基地や看板設置等)、駐車場の外部貸しも同じことだが、これについては国税庁の考え方が出ている。貸し出し方法によって税金のかからないケース、外部者の使用料のみにかかるケース、内・外部使用者すべてにかかるケースの3パターンと考えてよい。詳細は国税のHPで確認してください。
 私が、ここで管理組合に考えておいてほしいことは、以下のようなことです。
 ・外部に貸し出すと敷地内に居住者ではない利用者が出入るすること
 ・機械式駐車場の場合の鍵の管理
 ・故障した場合の警報発生の対応者
サブリースに出し場合の会計処理等は管理会社もなれておりスムーズにいくでしょう。また税理士の紹介も受けれるでしょう。問題は、始動した後の管理の問題。メンテナンス費用を管理組合が出すのかどうかは別の問題だが、故障発生の時に、外部使用者が管理組合にて契約している警備会社を呼び出すことができるのかどうか。派遣費用はだれが持つのかなどを決めないで始動するマンションが多く、つめるべきことはたくさんあるようです。
 また最近は、サブリースではなく、現在の駐車場を一度解体し、新たな機械式を新規建設して、それを管理組合が15年ほどの貸与を受けるという方法。その場合のメンテナンスも業者持ちだから費用はかからない。しかし使用者が減っても駐車箇所分の使用料は毎月払わなければならず、本当に組合の得になるかどうか、私も色々計算しているところだ。マンション管理の仕事を始めたころ、マンションの駐車場がいずれは重荷になってくると感じていたが、上記のような商売が出てくることは予想していなかったなあ。

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