マンションには必ずと言っていいほどゴミ置場がある。もちろん無いマンションもあるが、その場合は、行政や自治会との関連で、どこかにゴミ集積場を設置しているだろう。
そこでは、いろんな問題が起こる。最も多いと思われるのが、違法ゴミ、つまり分別されていないゴミの排出や排出してはいけないゴミの置き去り。理事を経験されたことのある方なら、理事会で一度や二度、ゴミの問題が議題になったことがあるのではないか。「誰が出した(排出した)」「人物は特定できるのか」などの議論が飛び交い、最後は、役員や代表者が、排出されたゴミの袋を開き、中のゴミから排出者を特定できるのかどうか。「法的にどうなんだ?」という問題。
これらの問題には回答がない。ゴミ置場の状況やそのマンションのルール、管理者がいるのかどうか等など、状況は毎回違うからだ。しかしみんな迷惑している、という状況。
ゴミ置場に防犯カメラを設置しているようなマンションも多く、これまで多くの映像を見てきた。排出を特定して注意させてもらったことも何十回とある。いや何百回かな、(少し言い過ぎ~(;^ω^)。数えていないから)。それで「プライバシーの侵害だ」とか「ストーカーだ」、「ゴミを置いているだけで排出していない、だから私のもので、あなたに開放する権利はない」などと言われたことはない。多くの場合、謝罪してくださり、回収してくれる。
だけど、実際はどうなんだろう。
よくジャーナリストなどが有名タレントのマンションに見張っていて、ゴミを開けて情報を得るなどと言う話を聞いたことがある。彼らの理屈は「ゴミは排出した時点で、所有権の放棄だから問題ない」とも聞いたことがあるが、そうなのかなとも思う。仮にそうだとしても、そのマンションの組合員でも管理者(役員や管理会社含む)でもない人が、他人の土地に勝手に入って、ゴミをあさるのは、それは問題だろうと思う。たぶん刑事的な問題だ。
かつて、警察官が、あるマンションの敷地内のゴミ置場から犯人と思われる人物の吸殻を取得して証拠とした事件がある(令和3年 事件番号 平成30年(う)第1390号)。この場合、この警察官の行為は違法だが、証拠能力はあると判断された。この警察官A氏は、管理組合や管理会社に許可を得ることができなかったのかなと思う。こっそり、やる必要があったのかな。
つまり、第三者が他人の敷地のゴミ置場に入ることは刑事罰がある可能性があるが、管理会社や管理組合であれば、問題ないのではないかと思える。なにもプライバシーを侵害したくて、何でもかんでもゴミをあさっているわけではないのだから。ゴミは週に2回ほど(もちろん地域やゴミの種類によって違うが)行政や事業者によって収集されることが普通。そうなれば、もうゴミは回収業者さんが自分たちの判断で処理する。ゴミ置場にゴミを出す人は、そのことを理解して排出しているはず、つまり、仮に数日間ゴミ置場に自分のゴミがあっても、その間だけでもゴミの所有権を主張することはおかしな話だ。つまり、違法ゴミが排出された場合は、理事会の方たちは、2名くらいで立ち会って、もしくは管理会社立会いで、ゴミを開封することは、管理運営上、必要な行為でないかと思う。
まあ、ゴミ排出のルールを守ってもらう啓蒙活動も必要だろうけど、、、。