マンションの持つビジョンとはー将来像を決める選択枝

「あなたの人生のビジョンは」的なことをよく聞かれるが、「うーん、困ったなあ」といつも思ってしう。いろんな人生の局面で直感で判断するが、長い人生設計となると、、、という感じです。

 さて、これをマンションに置き換えると。マンションの長い人生設計をいかように組むか。ビジョンはどのようなものなのか。そもそも多くの人が住むマンションで統一されたビジョン(この場合、将来像)なんて作ることができるのだろうか。

 結局、それは長期修繕計画表が議決されているか。積立金計画が理にかなったものになっているのか。建物の維持管理計画が明確か。資産価値の維持をどう図るのか。資産価値なんかよりも、一生問題なくここで暮らしたい、という方もいる。つまり個々の人が、個々の生活と関連づけて、自分のマンションにいろんな理想像を描くことになる。それらをすべて包含できるような、統一されたビジョンを計画的に描くことはとても困難なことだと思う。

 2022年の現時点で、マンションという建物の将来像は3つしか無いと思われる。1つは、建替えの時期を明確化し、それに向かって計画を建てる(思惑通り可能かどうかは別)。2つめは、ある段階で建て壊すこと。そのための資金を必ず残しておかなければ、次の代に負の遺産を残す可能性がでてくる。そして3つめは、可能な限り建物の維持管理を丁寧に行い延命措置を行う。

 上記1~3の目標を実行に移すためには、必ず資金が必要だ。どれだけの資金が必要なのか。それにあわせたルールづくりも必要だろう。そして大事なことがもう一つ。それは社会情勢の変化にうまく適応することだ。適応方法は一つではない。それぞれが、うまく適応措置をとらなければならない。

 東京オリンピックが始まる前は、都心のマンションなどでは民泊を規制するルールを管理規約に盛り込もうとした傾向がある。しかし、一方で投資マンションなどでは、むしろ民泊やシェアハウスなどで資産価値の維持をはかろうとした人たちもいる。

 いずれの老朽化マンションに対して建て替えなどの措置がスムーズにとれるように法改正が行われてきた。今後も要除却認定や敷地売却措置が行いやすくなるような法改正等が行われる可能性が高い。

 まずは皆さん、以下の法律やガイドラインを確認しよう。マンション管理適正化法、区分所有法、マンション建て替え円滑化法、長期修繕計画ガイドライン、修繕積立金ガイドライン、マンション標準管理規約。以上のルールやガイドラインは、すべて絡み合っている。どれかだけを実行しても組合運営に支障をきたすのだ。例えばマンション管理適正化法にて「管理計画認定制度」が開始されることが決まった。だからといって、すべての管理組合がすぐに同制度に申請することはできない。管理規約に「管理計画認定制度」申請を決議事項として明記しなければならない。その後申請できても「優良マンション」と認定されるための要件を満たさなければならない。まずは長期修繕計画が適正化どうかガイドラインでたしかめよう。もちろん修繕費用の額も変更する可能性が出てくるかもしれない等々、、、。

 今が大きな分岐点かも知れない。今後30年の自分のマンションの行く末を案じてみる時期かも知れない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *

CAPTCHA